PC Japan 4月号 掲載記事について


    ソフトバンククリエイティブ株式会社様発行「PC Japan 4月号」誌内P139 写真25に記載されました「左右が黒くなる」現象について下記に説明させていただきます。

    弊社製品「TMPGEnc DVD Author 3 with DivX Authoring」は HDV 映像ソースを読みこんだ際、初期設定では 720×480 の 16:9 モードにて出力されます。
    DVD-Video 規格では、16:9 モードの映像は 720x480,704x480 は共にピクセルアスペクト比 40:33 で表示される事が決められています。しかし、パソコン用プレーヤーでは画面アスペクト比 16:9 で計算してしまう物が多く、パソコン上で比較している限りは 720x480 (無効領域なし) として扱うのが一見正しく見えてしまいます。

    DVD-Video をテレビシステムでご覧になる場合は、プレーヤー側でピクセルアスペクト比 40:33 にて計算しテレビに表示するため、歪み等は発生いたしません。

    以下に技術的解説をさせて頂きます。

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    ■テレビシステムについて
    アナログTVシステムの水平ライン数 525 本のうち 40本が垂直ブランキング期間となります。有効ライン数は 525-40 = 485 本となり、1ラインの期間は 63.5555μs でそのうち 10.9μsが水平ブランキング期間となります。このため一ラインの有効期間は 63.5555-10.9 = 52.6555μs となります。
    まとめますと NTSC 信号の有効範囲は水平 52.6555μs、垂直 485本 となります。

    そして、ITU-R BT.601 に従い NTSC 信号を 13.5MHz でサンプリングを行いますとNTSC はライン数 525 なので、一ラインのサンプル数は 13500000 / 525 / 29.97fps = 858サンプルとなります。
    (ちなみに映像フレームレートの 29.97fps は 30000/1001 fps にて算出されます。)

    858サンプルの期間は 63.5555μs なので、水平有効範囲 52.6555μs は 858 * (52.6555 / 63.5555) = 711 サンプルとなります。また垂直の有効ライン数は前述の通り 485 本となっております。
    まとめますと BT.601 の有効範囲は水平 711 サンプル、垂直 485 本となります。

    これを画面アスペクト比率 4:3 で表示する場合、ピクセルアスペクト比は 485 * 4 : 711 * 3 = 約 10:11 となります。
    また、画面アスペクト比率 16:9 で表示する場合、ピクセルアスペクト比は 485 * 16 : 711 * 9 = 約 40:33 となります。
    これらがピクセルアスペクト比 10:11, 40:33 の由来です。

    次に DVD-Video の TV 表示上の 720 と 704 の差なのですがTV システムにおいて 720 の場合は有効水平期間 53.33μs 704 の場合は有効水平期間 52.15μs となります。(DVD 規格を鑑みますと 720 の期間は 53.33μs とあり、NTSC の水平有効期間の 52.6555μs から計算すると、53.33-52.6555 = 0.6745μs 分の無効領域をつけていると分かります。0.6745μs=左右合計9ピクセル(711+9))
    ここから 52.15:53.33 は 704:720 とほぼ同じ計算になることが判ります。つまり 720x480 の映像データが表示される場合も 704x480 映像データが表示される場合も、テレビでは中央の 704x480 分は同じ大きさで表示されることになります。(双方で差異による歪みは無いといって良い状態)

    上記をまとめると、704x480 と 720x480 のピクセルアスペクト比は以下になります。
    ・NTSC 画面アスペクト比 4:3 704x480 ピクセルアスペクト比 10:11
    ・NTSC 画面アスペクト比 4:3 720x480 ピクセルアスペクト比 10:11
    ・NTSC 画面アスペクト比 16:9 704x480 ピクセルアスペクト比 40:33
    ・NTSC 画面アスペクト比 16:9 720x480 ピクセルアスペクト比 40:33

    これを元に 1920x1080 がピクセルアスペクト比 1:1であることから、ピクセルアスペクト比と解像度を変換すれば 704(または左右に8ずつ黒を付加した 720) x 480 以外の場合、歪みが発生する事がわかります。これが弊社にて 720(704+16) x 480 を選択している理由となります。

    ■パソコンでの再生について
    1920x1080 を縦 480 ラインに縮小すると 853.3333x480 になります。これをピクセルアスペクト比 40:33 にすると 853.33333/(40/33) = 704 で 704x480 になります。

    つまり、1920 を 720 にただ単に目一杯で変換してしまっている場合、16:9 モードの DVD-Video を作成しても上記の「TV 表示上の 720 と 704 ではテレビで見た際の見た目の差は無い」という条件から考えると、歪んだ状態で表示されていることになります。 これは「画面アスペクト比」と「ピクセルアスペクト比」の変換そして、「DVD デッキ=テレビ」と「パソコン」でのシステムの差が原因となっております。
    DVD 規格の大前提として「DVD プレイヤーは必ずピクセルアスペクト比 10:11 または 40:33 で再生すること」がありますので、720x480 は DVD の ifo に 16:9 モードと記載されていれば、720x480 ピクセルアスペクト比 40:33 となり結果的に家電プレーヤーで再生される映像の画面アスペクト比は「16.3636363636:9」で計算され、歪みなくテレビに表示されます。
    704 x 480 と 720 x 480 では「テレビシステムについて」で解説しました通り、テレビ表示上の差異はありません。
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    以上が掲載記事内の「左右が黒くなっている」の根拠となっており、弊社の製品に何らかの不具合が発生しているものでは無いことがご理解いただけると思います。





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