TMPGEnc-LABO(研究所)
ビットーレートとは?
ビットレートとは、1秒当たりに転送される映像・音声のデータ量のことで、bps(Bit Per Second:ビット/秒)という単位が用いられます。『
動画ファイルの容量=ビットレートの値×時間』で表され、ビットレートが高ければ高いほど画質や音質は良くなりますが、出来上がりのファイルサイズは増加します。ビットレートの調整は、映像ファイルをエンコードする際にファイルサイズを抑えたいときや、より高画質にしたい時などに行います。
ビットレートが高いほど高画質になりますが、元になる映像が低ビットレートである場合は、いくらビットレートを高く設定しても画質の向上は見込めません。また処理速度の遅い CPU や回転数が遅いハードディスクなどを使用している場合、高ビットレートで作成した映像を再生すると処理が間に合わず、コマ落ちしてしまうこともあります。また、ホームページ上で動画を公開する際に、インターネットの回線速度が遅い場合はきれいに再生することができません。
標準の DVD-Video 規格では、映像と音声の合計ビットレートが 9848kbps 以下、標準のBlu-ray(BDMV) 規格では、映像と音声の合計ビットレートが 40000kbps 以下でなければなりません。そのため、目的や環境に合わせてビットレートを調整する必要があります。
エンコード方式には、
固定ビットレート(CBR)と
可変ビットレート(VBR)の2種類あります。
エンコード時の画質や出来上がりサイズのバランスなど、用途に合ったエンコード方式を選択しましょう。
固定ビットレートは、全体に渡りすべて同一のビットレートを割り当てます。動画ファイルを全て高画質にしたい時は高ビットレートを、逆にファイルサイズを小さくしたいときは低ビットレートを設定します(低ビットレートだと動きの激しいシーンでノイズが目立つ場合があります)。
常に同じビットレートを割り当てるので、出来上がりファイルサイズを簡単に予測することができます。そのため、エンコード後のファイルサイズに上限がある場合や、データの転送速度を一定にしたい場合などに使用するとよいでしょう。
また、WMV(Windows Media Video)などでは、2パスCBR の設定が可能です。2パスCBR では、一枚一枚の映像に配分するデータ量を厳密に調整し、より高画質を目指すための仕組みとなります。
可変ビットレートは、動きの激しいシーンには高いビットレートを、動きの少ないシーンには低いビットレートを自動で割り当てます。シーンに合わせたビットレートを割り当てるため、画質を比較的高くしながらファイルサイズを小さくすることが出来ますが、出来上がりファイルサイズの予測は難しくなります。
VBR はさらに2種類に分類することができます。1パスエンコード(固定品質)と2パスエンコード(平均ビットレート)です。
MPEG-2 の1パスエンコードは、映像を解析し、指定された一定の品質を保ちながらエンコードを行うことで、書き出しまでの処理時間を短く仕上げることができます。ただし、出来上がりファイルサイズの予測が難しくなります。
2パスエンコードは、1パス目で映像のデータ全体の情報を解析後、その情報を元に2パス目でビットレートの割り当てを行いエンコードします。2回の処理を行うため処理時間は長くなりますが、効率的にビットレートを割り当てることが可能なので、高品質な映像を作成することができます。平均ビットレートを指定することでファイルサイズの予測もおおよそ可能になります。